糖尿病−男性と女性の違いについて-その1

糖尿病−男性と女性の違いについて-その1

普段意識しているようでしていないのが、「男女差」

当然ながら男女は同じ体のつくりではありません。したがって、本来は糖尿病の治療や療養を行ううえでも男女差を考慮しなく
てはならないはず。現在のところあまり気にされていないのはなぜなのでしょう。

今回は以外な盲点ともいえる「糖尿病─男性と女性の違いについて─」

糖尿病における男女差とは

糖尿病において、男女差があることは古くから知られています。
2型糖尿病についていえば、国内では男性のほうが女性よりも発病率が高くなっています。
また1型糖尿病については、小児期において若干、男児よりも女児の発症率が高くなっていますし、糖尿病患者の予後を調査したある研究によれば、男性と比べると女性の死亡リスクが高くなる傾向があるといわれています。

このように発症頻度や予後からして、男女の間には差異がみられるわけですね。

もっと差異が顕著なのが血糖値に関してです。現在の日本糖尿病学会は「空腹時血糖値を110mg/dl未満」が正常と定めています。

しかし、男女の空腹時血糖をそれぞれ調査した別の研究によれば、血糖値の平均値は、男性で94.8mg/dl±7.8、女性で90.5mg/dl±6.8
であったとあります。男性より女性のほうが、およそ5mg/dlほど血糖値が低いというわけです。

しかしながら、日本糖尿病学会では空腹時血糖の基準値を男女別に分けていません。
それでどのようなことが起こるかというと、女性のほうが診断に引っかかりにくくなり、早期発見が難しくなるというわけです。当然その分悪化しやすくなるといえるでしょう。

近年、日本においては糖尿病患者の生命予後が著しく改善していると言われていますが、これは新薬の登場や治療技術の向上のためではないと考える向きがあります。しかし、もっと違うところに原因があるのではないかと考えた研究者がいたのです。

以前は女性に対して、女性特有の血糖値の変動を認めないまま、男性に適した数値や方法で指導していました。近年は女性に対しより細やかなケアがなされるようになったことから、女性の生命予後が改善し、結果として糖尿病患者の生命予後全体が改善したようにみえるのではないかというわけです。

そういった意味では、女性の糖尿病については十分な研究がまだなされておらず、予後は男性よりも改善の余地があるのではないかとも考えられます。

女性のほうが血糖値が低い理由

ようやく日本でも男女差が着目されるようになりました。日本総合健診医学会は全国の成人約70万人の健診データをもとに、健康の物差しとなる血圧や血糖値などの基準値について、初の男女別基準値をまとめました。

その結果、従来の単一の基準値と比べてみると、予想以上に男女差が大きかったとのことです。男性よりも女性が、そして高齢者よりも若い人のほうがより血糖値が低かったそうです。男性は40歳以上になると110mg/dlをはるかに超いており、一方若い女性では血糖値がかなり低かったそうです。

このため先程も述べたように、従来基準では高くなっても引っかからず、とくに若い女性の初期の糖尿病を見落とす可能性も出てくると指摘されています。そうなってしまっては大変ですから、年齢や性差に応じた個別の新しい基準をつくるプロジェクトがはじまっています。

しかし、そもそも、なぜ女性のほうが空腹時血糖値の基準値が低いのでしょうか。

妊娠可能な女性は、ほぼ毎月月経がありますが、月経前になると、耐糖能といってインスリンの効果が低下することがわかっています。
同じ量の糖質を食べたとしも、月経前はインスリンの効果が充分でないため、血糖値が下がりにくいんですね。

そのため、血糖値をしっかり下げようとして、普段より多量のインスリンが分泌されるようになります。その結果、食事から2〜3時間後に低血糖を生じやすくなるというわけです

また、必ずしも低値とは限りませんが、月経周期にあわせて血糖値が変化する女性はかなり多くいます。これはとくに1型糖尿病の患者さんによくみられる現象として知られ、ひどい場合は月経時にインスリン注射量の調節が必要なケースもあります。

これらのほとんどが、女性ホルモンの作用によるもの。月経の開始から終了まで、女性の体の中ではたいへんなホルモンバランスの変化が起きています。月経開始時に増えるホルモンがエストロゲンで、月経終了時から増えてくるホルモンがプロゲステロンというものです。

これら2つのホルモンはバランスを取りながら女性の月経リズムを作り出しているのですが、エストロゲンはインスリンの感受性をあげ、プロゲステロンは逆に下げるという働きがあります。ちょうど車のアクセルとブレーキのようなものですね。そのためそれらのコントロールが乱れる月経中の女性は、耐糖能の変化による血糖値の急変動に悩まされるというわけです。

男性なら性ホルモンの周期的な変動が小さいので、代謝の変動もさほど影響を受けないでしょうが、女性は実に細やかな変動にさらされています。
余談ですが、妊娠するとホルモンバランスが大きく変化し、血糖値は上昇しやすくなります。子宮内で胎児を支える胎盤からは、インスリンの働きを抑えるホルモンが分泌されるだけでなく、胎盤そのものからインスリンを壊す酵素がつくられるため、インスリンが効きにくい状態が強まり、血糖値が上昇しやすくなるのです。

女性は、ホルモンの波の影響によって感情や衝動がうつろいやすかったりしますが、ホルモンは精神だけでなく体内でのインスリンの効きそのものにも影響することを覚えておいてください。

今回のまとめ

★今回のまとめ

普段あまり気にすることのない男女差ですが、実はこれまでは男性の基準に女性が合わせていました。女性に適した基準や治療が登場することで、今後はより治療率が上がるのではないでしょうか。

・2型糖尿病は、男性の方が発症率が高い

・1型糖尿病の小児は、女児の方が発症率が高い

・これまでの血糖値の基準は、男性を中心に決められていた

・女性の血糖値は、ホルモンの影響により容易に変動する

→ 関連項目 糖尿病と性格って関係あるの? その1

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