糖尿病−強烈な眠気は危険信号?-その1

糖尿病−強烈な眠気は危険信号?-その1

コロナ禍にあって外出する機会も減り、生活のリズムを崩してしまった・・という声もちらほらと聞こえてきます。
中には睡眠のバランスが崩れてしまって、四六時中眠いという方もいらっしゃるかもしれません。

だからといって、「眠いからたくさん寝るだけだよ、何か問題あるの?」と思っていませんか?

実は・・強い眠気と糖尿病の間には意外な関係があるそうなんです。
もしかしたら、あなたの眠気は、疲れのせいではなく糖尿病のせいかも!?

眠気と食事の関係

一日の中で最も眠気を感じるのは、食後だという方は多いのではないでしょうか。
昼食を終え、いざ会社に戻ると突然襲ってくる強烈な眠気。そんな経験をした方は少なくないでしょう。

ガムを噛んだり、ブラックコーヒーを飲んだり、顔を洗ったり。自分なりの、何らかの対処法を持っているかもしれませんね。糖尿病の有無とは関係なく、食後の眠気は一般的なものです。

ところで、なぜ食後に眠気が出るのでしょうか?その答えは、食物と脳の連動関係にあります。
成人の脳は、一日あたり500〜600kcalものエネルギーを消費しているといわれています。そのエネルギーのほとんどは糖質でまかなわれています。しっかり糖が体に取り込まれていれば、脳は支障なく糖をエネルギーとして利用できますが、空腹状態が続くと脳が十分に糖を利用できなくなってしまいます。すると、脳は活動の危機に陥ってしまうため、「何か食べなさい」という指令を出します。
それが、食欲をつかさどるといわれるホルモン、「オレキシン」です。

空腹時にオレキシンが分泌されると「何かを食べたい」という欲求が起こります。
空腹中はオレキシン神経が活発になっているので、脳も飢餓状態で覚醒されており、眠気がない状態になります。そこで食事をとってお腹が満たされると、オレキシンの濃度が低下します。脳にもエネルギーが供給されるため、飢餓状態からリラックス状態になり、眠くなります。

これ以外にも、もう一つ理由があります。食べ物が消化器官に入ると、消化のために胃や腸が動き出します。
体中の血液が消化器官へと集中するので、結果、脳への血液循環が減ることになります。消化に血流が集中するため脳の活動が鈍くなり、眠くなるというわけですね。

これら2つの理由から、糖尿病ではない健康な人であっても食後の眠気がでるといわれています。

糖尿病と眠気の関係 その1

では、糖尿病の人の場合はどうでしょうか。

糖尿病の人の場合は、血糖値との関係が重要になってきます。
糖尿病の人が強い眠気を催すのは、食前と食後、このどちらかであることが多いようです。食前の場合は低血糖が大きく関与しています。

ここで低血糖についておさらいをしておきましょう。
低血糖とは、言うまでもなく、血液中の糖の濃度が低下した状態です。だいたい血糖値が60mg/dl以下(または50mg/dl以下)となったときが低血糖です。また、普段から血糖値が高い人であれば、急激に血糖値が下がったりしたときには、60mg/dl以上でも低血糖症状がでることがあります。

低血糖の症状は、「眠気」「あくび」「不快感」「冷や汗」などの症状をはじめ、重篤になると「意識障害」から「糖尿病性昏睡」に陥ることもあり、この場合はたいへん危険です。そこまでの症状に至らない場合であっても、眠気は低血糖症状の一つととらえることができます。

糖尿病の人が低血糖によって眠くなるのはどのような状況でしょうか。
まず考えられるのが、インスリン注射によるもの。ご存知のように、インスリン注射は、食後に血糖値が大きく上がることを見越して、食前に行われます。
ところが、何らかの理由で食事をとれなかったり、糖の量が不十分であったりすると、インスリンによって血糖値が下がりすぎてしまい、予期せぬ低血糖を引き起こしてしまうことになります。また、インスリン注射以外の経口糖尿病薬によっても、一時的な低血糖による眠気が引き起こされることがあります。

このようなときはどうしたらいいのでしょうか?糖分を摂ればよい、と考えるかもしれませんね。
糖尿病ではない人が栄養失調などで低血糖になった場合は、速やかに糖分を補うことで低血糖発作から身を守ることができます。しかし、糖尿病の方の場合はそう簡単にいきません。糖尿病のために体内で分泌されたインスリンの効きが悪い人がいます。この人たちはせっかくインスリンが体内で分泌されたとしても、普通の人よりも効きが悪いことがわかっています。

この人たちが、低血糖だからといって即座に糖分を摂ったらどうなるでしょうか。血糖値は当然上昇しますが、普通であればある一定のところでインスリンが分泌されて止まるはずが、インスリンの効きが悪いために、どんどん血糖値が上がり、逆に高血糖になってしまうこともあります。
こうなると、激しく病状が悪化してしまうことにもつながります。

糖尿病と診断される前に、異常な体のだるさと喉の渇き、眠気を感じていたという糖尿病の患者さんは意外と多いのですが、これは高血糖によるもの。

このように、糖尿病の方の場合はお薬によって、またはインスリンの効きが悪いために血糖値が激しく上下しやすく、そのために低血糖や高血糖により強い眠気に襲われることがしばしばあるです。

今回のまとめ

本来「眠気」というのは人間の生命活動にとってなくてはならないものです。しかしながら糖尿病の方の場合、眠気が度を越している場合は低血糖や高血糖といった、体からの何らかのサインかもしれません。たかが眠気と軽んじることなく、重要なサインとしてとらえて、病状改善に生かしていきましょう。

・糖尿病の有無にかかわらず、エネルギーが不足すると眠くなる

・インスリン注射や投薬のために低血糖をきたすことがある

・低血糖症状の一つに強い眠気がある

・高血糖もまた眠気を引き起こすことがある

・強い眠気は糖尿病コントロールと関連がある

→ 関連項目 糖尿病といびきのビックリな関係!

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