病院で行う血液検査に、「HbA1c」と書かれた項目があります。これは、糖尿病を発症している方や詳しい方なら知っているかもしれません。しかし、糖尿病についてあまり詳しくない方からすれば何を表しているのかわからないかもしれません。
HbA1cとは、「ヘモグロビンA1c」を略した言葉です。糖尿病の人は、血液検査の結果の項目でヘモグロビンA1cの数値を確認し、自分の血糖状態を把握します。この数値を確認することは、糖尿病患者にとって重要なことなのです
糖尿病に関わる重要な数値
ヘモグロビンとは、血液の中にいる赤血球に含まれているタンパク質のひとつです。ヘモグロビンと酸素が結合することで、全身に酸素を運べるようになります。赤血球の寿命は、約4カ月です。この期間中は、血管の中を巡回している状態です。赤血球が巡回している間は、ヘモグロビンと酸素が結合するだけではなく、血液の中にいるブドウ糖とも結合します。そのため、余分なブドウ糖が血液中にあると次から次へと結合していきます。ブドウ糖と結合したヘモグロビンの一部は、「ヘモグロビンA1c」となり糖尿病に大きく関わることになります。
糖尿病で血液検査を行ったときは、血糖値の他に「HbA1c」の結果を確認しなければなりません。このHbA1cの数値が高いと、高血糖状態になっていることを表していることになります。
糖尿病などが発症していない健康な方なら、HbA1cの数値は5.8%以下(NGSP値6.2%以下)が正常値になります。(2012年4月1日から日本糖尿病学会は、一般的な診療においてHbA1cの数値を国際標準値(NGSP値)と一緒に表記しています。そのため、これまでの数値(JDS値)よりも0.4%高くなっています。)
HbA1cの数値が正常値よりも高いと、高血糖状態が続いている状態です。また、HbA1cの数値が8.0%(NGSP値8.4%)以上の状態が続くとさまざまな合併症を引き起こす可能性が高くなります。
そのため、医療機関ではHbA1cの数値を下げることを糖尿病の治療目的にしているケースが多くあります。
血糖値とHbA1cの違い
血糖値は、血液検査を行った時点での血糖状態を表す数値です。それゆえ、血液検査が食前なのか食後なのかによって数値が変動します。なお、検査前に何かのストレスを感じてしまうだけでも、血糖値が上がってしまうこともあります。
HbA1cの数値は、過去1カ月~2カ月の血糖状態を表します。そのため、検査日の血糖値よりも血糖状態を正しく把握することができます。例えば、検査した日は血糖値が下がっているけれど1カ月前よりHbA1cの数値は上がっているということがあります。この場合、検査した当日にたまたま血糖値が下がっていただけの可能性があり、本当は1カ月間血糖状態が悪かったことになります。
反対に、検査した日は血糖値が上がっている、けど1カ月前よりもHbA1cは下がっているということもあります。この場合、検査を行った日にたまたま血糖値が高かった可能性があり、HbA1cの数値は下がっているので1カ月間の血糖状態がよかったということになります。
長い目で見ることが大事
糖尿病の状態は、血液検査を行った日の血糖値だけだと本当の血糖状態を知ることができません。そのため、糖尿病の今の状態を確認するにはHbA1cの数値を1カ月前と比べてみて、上がっているのか下がっているのかを確認することが大事なのです。
確かに、血糖値を確認することも必要です。検査結果によって血糖値の数値で喜んだり、落ち込んだりする人もいるかもしれません。しかし、血糖値だけではなくHbA1cの数値にも注目しておきましょう。血糖値に変化がなくても前の数値からHbA1cの数値が下がっていたら、糖尿病が改善されてきた可能性が高くなっています。
以上、糖尿病とHbA1cの数値がどれだけ深い関係なのかご紹介しました。血糖値をコントロールした結果は、HbA1cの数値を見れば一目瞭然です。ここの数値が上がる、下がるということだけで、糖尿病がどれだけ改善されてきているのか把握できます。これまで病院で血液検査を行っても、HbA1cの数値に注目していなかったのなら、今後はぜひ注目して欲しい項目です。糖尿病を予防するためや改善するためにも、HbA1cの数値を確認しておきましょう。
でも実際は、なかなか食事制限や運動などを頑張っていても、この数値が下がらないと悩んでおられる方は多いのです。どうして、こういった数値はなかなか改善しないのでしょうか。
実は、それには深~い理由があるのです。
糖尿病の人が不足している、特定の栄養素と関係しているのです。
よろしければ次のお話から調べてみてください。
↓ クリック! ↓